吹き抜けた風が
いつの間にか移り変わっていた季節を教えた。
むせ返るような熱気と
独特の匂いが消えて
風が冷たくなり
木々の色を少しずつ変えている。
そんな季節に
オレはまた1つ大人に近づく。
「ねえねえセンパーイ
オレの誕生日、ちゃんとおぼえてますよね?
プレゼント、期待してるっスよーv」
「あーハイハイ。
私ちょいと忙がしいからまた後でねー」
今日で連続一週間。
オレは、毎日3年の教室に通い続けて、先日一目惚れした彼女にとにかくウザイくらいアピールをしまくっている。
毎回流されてるけど。
だってさ
プレゼントもらいたいじゃん。
大好きな相手だから尚更。
そのためにはほら、自分からどんどん押していかないと。
黙ってたら、いつまで経っても気持ちなんて伝わらない。
普通の人相手でもそうなんだから、こーんなニブい人の場合はもっともっと大変だ。
オレの場合は年下っていうネックがあるから余計にだけど。
ヘタしたら弟扱いで終了だもんなー…。
そこで終わらせる気はさらさらないけど。
「オレ、先輩から何もらえるのか、すっごーく楽しみにしてるっス!!」
口角を吊り上げて目尻を下げて微笑んで、どさくさ紛れに手ぇつかんで殴られて
よし。今日の日課これで完了。
まあそんなわけで訪れた誕生日当日。
朝練が終わって教室に入ったオレを待ち受けていたのは、入り口の前に仁王立ちした先輩の姿だった。
「あ…おはようございます」
予想外の事態にあっけに取られつつ声をかけると、彼女は鷹揚(こんな言葉知ってるなんて、オレ案外すごくない?)に頷いて口を開いた。
「アンタは何が欲しいのよ?」
え、もしかしてプレゼントのこと?
つーか前後の繋がりがまったくないんですけど…
「いろんなトコを回ってみたけど、何見てもピンと来ないのよね」
だから放課後あたりに付き合いなさいよ、なんて
「放課後デートっスね!?」
本当にそんなこと言っちゃっていいの?
オレ、調子にのっちゃうよ?
「最後の締めは、先輩からの愛の告白と、ちゅー1個でいいっス!」
オレと期間限定同い年の彼女の耳が
紅葉と同じ色に染まった。
「調子こきすぎだバカ也!!!!」
―――Oh, autumn will be what a good season!!
Happy birthday Akaya Kirihara!!
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えーと…ありがちな少女マンガっぽいのを書きたかったんですが…
何かやりすぎた感がなくもない(爆)
何はともあれおめでとうございましたーん
戻ってみちゃっ隊