「最近涼しくなったよね。…世の中が。」








わけのわからない出だしで遠くの空を見つめたのは


ひょっこり現れてはひょっこり去っていくテニス部の天災と呼ばれる謎の人物。


わかるのは破天荒な性格の持ち主と言うことと、パフェを愛してやまないということだけ。


なにいってんだコイツと思いつつも、初めて見る影を落とした表情に少なからず
驚いたからだと思う。









「なーに落ち込んだ顔してんだよ!らしくねーな。」









暗い空気を一掃したくていつもよりテンション高めに笑いかける。


だけど、一瞬オレの方を見たかと思ったら薄目に苦笑面で










「…ガクソはいいわよね…悩みがなさそうで…。」









ため息を吐くき、再び遠くを見つめた。






『悩み』







まさかからそんな言葉が出るなんて…。


悩みがなさそうでって所がちょっと気になりはしたものの
コイツがそこまで悩む理由も気になった。











「なぁ…何かあったのか?」


「…ガクソには関係ないから…それにガクソにとってはそんなことかって事だと思うし…。」


「そりゃ…もしかしたらそうかもしれない。どんな内容かもしらねーし。

だけど、オマエの落ち込んだ顔見たくねーんだよ。

オレ、オマエの笑顔が…」









『好きなんだから』


言って、はたっと気がついた。


なんかこれって…告白っぽくないか?


ちょっとだけそう、感じただけなのに







かあぁぁぁ







顔中にに血が上っていくような感覚。


うわっ!な、なんでオレ照れてんだ!!?










「ガクソ…ありがと。」










いつものニヤつき顔じゃない、小さくはにかむような笑顔。


ドキドキと言う振動が全身を駆け巡り、速くなっていく。


な、なんだよこれ!


まるでオレがの事が好きみたいじゃないか!!


……ん?


いや、『みたい』じゃなくて実際好きなんじゃ…。


いやいやいや!そんなわけないって!


だってコイツはテニス部にとっての天災で、いつもはちゃめちゃな事しでかしていくし


だけど、どこか憎めなくて


気付いたら目で追ってしまう。


ってめっちゃくちゃ意識してるじゃねーか!


…と、言うことは、やっぱり…好きなのか…。


自覚してしまったら照れ臭さは残るもの
今までの動揺はどこへ行ったのか意外とすっきりしてた。












「なぁ、オレじゃどうもできないことでも、話すだけでも気が軽くなるって!
言ってみろよ」











どうしても言えないような辛い話なら仕方ないけどよ、と続けるとは苦笑した。











「いやぁ…本当にアンタにとっちゃどうってコト無いと思うんだけどさ」


「いいから言えって」


「…うん。あのさ、いつも行くファミレスあるじゃない?」


「あぁ、あそこな。」











話の中心になろう場所は部活帰りに行くファミレスのことのようだ。


こいつは部活が終わると何処からともなく現れ跡部に絡み、いつも無理矢理おごらせている。








「でね、昨日久々に自腹でなんか食べに行こうって颯爽と出かけたんですよ。」








なんとなく…いや、確実に嫌な予感がする。







「そしたらなぁぁぁぁんと!!」







ドン!!







思いックソ近くの壁を殴る。


そしてこの世の終わりのように頭を抱えこう叫んだ。







「ドリームどっこいパフェが680円→850円に値上がりしてたのよぉぉぉ!!!」







知るかぁぁぁぁ!!!!


そう叫びたくとも言ってみろといった手前そうもいかない。







「そ、そっか。そりゃ災難だ…」


「だってよ!!?230円も上がるなんてありえなくない!?

単純に一年間のパフェ消費量→1日20杯と考えたら

総額496万4千円が620万5千円に値上がったってコトだよ!?

単純に考えても124万千円は損をしてるってことじゃないのさ!?

いや、ちゃんとその分量も増えてるけどさ!!だけどあたい的に…」







熱烈に語りだした


わざわざ計算したのか…?


もうどうにも止まらない状態だ。


まぁ、そう考えると落ち込む要素はわからなくもない。


けど…







「跡部に毎日奢ってもらうんだからいいんじゃねぇ?」







さらりと出されたオレの言葉にマシンガントークがぴたりと止む。








「そりゃそうだわな。」








納得した。


おもしろいくらいすんなりと。


なんて解り易いヤツなんだろ。


いや、いつもは何考えてんのかわかんないけど。


ま、なにはどうあれ、やっぱりにはいつもの調子でいってもらわないと困るよな。








「よっし!!そうと決まりゃカード貰ってこようっと!ガクソサンキュー☆」


「あ?」








1人で自己解決するとはスキップしながら、しかしもの凄いスピードでこの場を去る。


カード貰いに行くってコトは…跡部ンとこか。








「自分勝手な女…。」








続いて出たのは「しょうがねーなという」言葉。








本当にしょうがないヤツ。



自分勝手で傲慢で。



そう思いつつもオレの言葉でいつもの調子に戻ってくれたのが嬉しくて


締まりの無い顔でずっと笑っていたのだった。





























何だかやっぱり無理矢理終わらせた感が激しいです(汗)
ギャグなんだかシリアスなんだか



☆どうにかこうにか戻り隊☆


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