『あぁ…たまらない…。』





壁に寄り掛かり潤い帯びた目で一点見つめる少女。


彼女の目線の先には一人の少年の姿。


生き生きとした楽しんでる表情にブンブンとラケットを振り回す彼。


視線は彼の下半身のパンツに向けられていた。







「あーもーLOVEいわ…弄りたい…。」







変態くさい台詞を吐くこの少女は


パンツの少年芥川慈郎を愛しく想う悩める乙女(笑い)。


テニス部で彼のパンツ姿を見てから『マジ恋した』のだと言うかなり変わった女の子。


毎日こうして影で慈郎を見つめる姿はまるでストーカーのようだ。






『この際体育館裏に呼出しっつーか連れ出してイタズラしてやろーかなぁ…』






なにがこの際なんだかわからないが乙女の妄想は止まらない。







『てかね、試合ごとにジャージと短パン一緒に脱いでパンツになっちゃうって言うのがまたあれよ、ときめきなのさ!


たまに脱ぎ過ぎて半ケツとか全ケツとかなっちゃうとことか可愛すぎてマジたまらんって!』







身悶えながら拳でガンガン壁を殴る。


間違えれば犯罪者のような行動も慈郎なら『かわいい』で済ませられてしまうらしい。


ちなみにまだ正面からそれを見たことないからの心はいまだ清いままだ。


腐ってはいるが。


跡部や忍足が行おうもんなら100%病院行きだろうに。


流石乙女マジック。






『しっかし毎回毎回シマパンってどうよ。色は毎回微妙に違うけど…もしやあれはあれね!見せパンね!


ジロさんってタンスの中に試合用パンツとかリラックス用パンツとか置いてそうだもの!てかぜってぇ置いてるしー!』






乙女の妄想はまだまだ止まらない。


ガスンガスン壁を拳で殴る。






『ついでにパンツが洗濯中でない時とか昔はいてた戦隊モンのパンツとかはいてんだって!


見られても「だって無かったC〜。」ですませるあなたにふぉーりんらぶ★』







済ませてねぇ。


しかし乙女の頭の中ではそう言う慈郎像として出来上がりつつあった。


良い迷惑だろう。


頭を抱えその場に崩れたの耳に砂を蹴り、駆け寄ってくる音が聞こえた。







「オイ!大丈夫か!?」


「ぶふぁあ!!」


「!?Σ( ̄□ ̄;)」







駆け寄って来たのは想い人、芥川慈郎。


顔を確認したら思わず鼻おっぴろげて吹き出してしまった。





「アッハッハ!オメェおもしれぇーなぁははははは!」





腹を抱え大爆笑の慈郎。


ツボに入ったらしくヒーヒー言っている。


地面に俯し、身をプルプルさせる慈郎。






『あぁ…ジロさんがめっさ笑ってる…可愛い…とりあえず…襲いてぇ。』







指をわきわきさせパンツに目を輝かせるはまるで獲物を捕らえようかとしているように見えた。


変態と言われても仕方がないだろうが、つっこむ人は誰もいない。






「ハヒァー…笑った笑ったー。その様子なら大丈夫だな。」






目尻に溜まった涙を拭いながら笑う。


が頭を傾げるとその頭をくしゃりと撫でた。







「いきなりうずくまるから具合ワリィのかと思ったぜ。紛らわC〜」







なんだよ!その罪作りな笑みは!


そんなにあたいを胸キュンさせたいのか!


そんなん現在進行系でしてるっつーの!


自分の気持ちを落ち着かせる為、ばしんばしんと太股を叩きまくる。


それに気がつかない慈郎が






「オメェが倒れたら見られてる感じがしなくて逆に部活に集中できねぇから倒れそうになったらオレ、呼べよ?」







と微笑んだ。






「気付かれてた!Σ( ̄□ ̄;)


いや、そこも驚きポイントだけどオレを呼べってー…。

やーだージロさんもあたいに恋してるみたいじゃない☆」


「そーだよー。」


「へ?」


「オレも、オメェのコト好きだぜー☆」






が心の中で思ったことが口から出て、それに笑顔に頬紅をプラスして答える慈郎。


口から言葉が出ていたコト自体に気がついてないは目を丸くしている。







「え?何でジロさんいきなり告白ぶちかましちゃってんの?」


「だって今オメェが言ったじゃん。『ジロさんもあたいに恋してるみたい』ってよ」


「ななななななな何ですとぉぉー!?Σ( ̄□ ̄;)」







無意識に告白ぶちかましていた自分に驚き、それに笑顔で答えた慈郎にも驚く。


一人で大忙しだ。






「これからオレ達『こいびとどーし』な。う〜!何かハッズカC〜★で、オメェの名前は?」


。」


「よっしゃ!!な。覚えたゼェ☆これからヨロシクな♪」


「あーはーまー…こちらこそ末永くヨロシクされたいのはやまやまです。」


「あはははは!!何だそれ!?やっぱオメェおもしれぇな!!」






足をバタバタさせ、一人で盛り上がるだけ盛り上がり「跡部から怒られっから」と、走って行ってしまった。


残されたは一人、まだ現実なのか夢なのかわからないような呆れた顔で






「これからは堂々と襲っちゃってもいいってコトかしら…?」






なんて少しズレた、犯罪チックなコトを呟いていたのだった。

















何気に連載化しそうです。




☆早くどっかに戻り隊☆







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