「これからオレ達『こいびとどーし』な。う〜!何かハッズカC〜★」と言われた次の日。
あれは夢だったんではないかと
朝シャンして
歯みがいて
髪型決めて
制服着て
鞄持って
携帯忘れないように家を出たを待ち受けていたのは慈郎だった。
「おっはよー。一緒にがっこ行こう〜♪」
「ハイ!喜んで!」
先ほどの悩みもふっ飛ばし、にやーっとしながら即答した。
ノリ的には飲み屋の兄ちゃんだ。
しかし、そんなコト気にすることもなく、慈郎は「行こうか」との腕を掴んだ。
こういう時は普通手を繋ぐもんだろうがお子様慈郎にはそんな気は回らない。
もで『ジロさんがあたいの腕ををを!』と心中どきどきめきめき中。
この様子なら手を繋がれたら死んでいるかもしれないのでこれでいいようだ。
腕を掴まれたまま学校まで行き
「んじゃオレ部活あっから!」
と、正門前で元気に駆け出した慈郎を
『多分もう部活終わるだろうなー…。』と思いながら慈郎が見えなくなるまで手を振っていた。
家の前で待っててくれたコトと、腕を掴まれたまま学校へ来たことにより
『コイビトドウシ』と言う単語が現実味を帯びて来ていた。
『イヒヒヒ…ジロさんと一緒に登校しちまったい★あぁ…やっぱ可愛いんだよねぇ。
流石に制服の時にパンツはなかったけど。』
「何ニヤニヤしてんだよ。気持ちワリィな。」
後ろから頭をポコッと叩かれた。
振り向くと中一からの同級生の向日岳人が制服姿で丸めた雑誌を持っていた。
「おはよーガクソ。( ̄▽ ̄)ノシ」
「オマ…Σ( ̄□ ̄;)毎回その呼び名やめろって言ってるだろ!?」
「え!?あたいが止めるとお思いか?Σ( ̄▽ ̄)」
「いや!何驚いた顔してんだよ!止めろよ!Σ( ̄□ ̄;)」
岳人はからかうと面白いので、は毎回おちょくっては反応を楽しんでいた。
今日もその反応に一種のときめきを感じつつニヤーっと笑う。
「ウフフー★いやーね、ジロさんパンツ…じゃなかった恋人がね」
「全く違うじゃねぇかΣ( ̄□ ̄;)つーか恋人!?」
「そそ。あたいなのよ。」
「…は?」
にっこにっこしながら「ウフフー★」と笑うに
「あぁ…。」
と憐れむような瞳で
「妄想か…。」
と呟いた。
「それがねぇー自分でも不思議なコトに妄想なんかじゃないだよねー( ̄▽ ̄)ノシ」
「妄想に決まってんだろ!パンツパンツ連呼する女、誰が好きになるんだよ!」
「ジロさん」
「言い切りやがったΣ( ̄□ ̄;)いくらジローでもそれはないだろ。」
「まーうたぐり深くなっちゃってやぁーね。」
「誰のせいだと思ってんだ!」
「えー?シラナーイ。( ̄▽ ̄)」
「お前だよお前!!Σ( ̄□ ̄;)ノシ」
「でね、学校も一緒に来たんだけどパンツじゃなかったなぁって」
「お…!当たり前だろうが!Σ( ̄□ ̄;)」
「うん。だから残念〜とか思ってたらガクソ登場。」
「だからガクソは止めろって!」
毎回行われている恒例漫才。
そのまま教室まで来たところでふと、が何かに気がついた。
「ガクソ、あーた今日部活だったんじゃないん?」
「ん?今日は水曜だろ。毎週水曜は部活休みなんだよ。」
「ナニ。」
慈郎は休みにも関わらず部活に向かったということになる。
廊下の見える部室。
窓から顔を出して見てみたが、誰もいないようだった。
『そんなそそっかしいジロさんにもあたい胸キュンよ(*´д`*)』
明らかに病気だ。
同じように窓の外を見ていた岳人がの表情に少し引いている。
「何にやけてんだよ…キモいな。」
「乙女に向かって何言うか。クソのクセに。」
「既に名前じゃねぇΣ( ̄□ ̄;)」
ウッフフー★と笑いながら岳人の額に人差し指でつん★とつく。
ごまかしモードのに呆れ、ため息をついた。
要は諦めたのだ。
「あー…もういい。何とでも言ってくれ。そいやジローだけど」
「ん?ジロさんがどうしたって?」
「いやな、一緒に登校して来たんならジャージだったろ?一緒にいて目立たなかったかなって。」
「いや?普通に制服でしたが?てかさっきも言ったじゃんか。」
「そうだけど…おかしいな。いつも部活の日の朝って着替えるのが面倒だから
家からジャージ登校してるはずなのに…あいつ今日部活って間違えてたんだろ?」
「うん。ジロさん走っていったもん。」
の言葉に「ふーんー???」と首を傾げる岳人。
も部活の日の事は知っていたが、今日は舞い上がってしまっていた為
今言われて初めて気付いた。
でも、それを気付かせないようにしれっと返す。
「それがどうかしたん?」
「いや…それがさ、ジローのヤツ、昨日オレのジャージと間違えて持って帰ってるみたいでよ。」
「あぁ…ジロさんやりそう(*´д`*)」
「なんだその顔Σ( ̄□ ̄;)」
「とーきーめーきーウフフー」
「キショ!Σ( ̄□ ̄;)」
にへらーと笑みを浮かべるに本気引きの岳人が後退る。
「ま…まぁ、だからジローが来たら代えてもらおうと思ってよ。」
「ふーん…じゃああたいがジロさんに聞いてきてあげるよ。」
「マジ?サンキュー!」
「アイスティーね。」
「え!まさか奢りかぁ?!ってオイ!?」
岳人の叫びを背にその場を駆け出す。
本当は自分がジロさんに会いたかっただけなのでそんな約束せずともよかったんだけれど
アイスティーが飲みたいのは事実なので、会うことができて飲物ゲットまで出来てなんてラッキーだとまたニヤけた。
通りすがりの男子生徒が怪訝そうな表情でこちらを見ていたが許そう。
にしては結構珍しいくらい浮かれていた。
「ジロさんどこかなー?」
ウキウキした足取りのまま部室の方へと向かう。
部室のドアを回したが鍵がかかっており窓から覗いてが真っ暗だった。
どうやらここにはいないようだ。
かと言って居眠り魔神の慈郎の事だ。
遠くには行っていないだろうと部室裏へ廻る。
そこには予想通り大きな木の影に足を組んで寝転がり、爆睡する慈郎の姿があった。
「やーだージロさんかーわーいーすーぎー★」
ニヤニヤしたまま隣に腰を下ろす。
一時は寝顔を見つめていたが起きる気配もなく、我慢ができず慈郎の髪にそっと触れた。
ふわふわしてやわらかな髪。
ずっと、触ってみたいと思っていた。
『あーもーめっちゃ気持ちいいし!ジロさん可愛いし!ヤッバ!と き め く !』
ゆっくりと撫でるとくすぐったそうに身じろぐ。
幸せそうな寝息をたてる慈郎。
「……ちゃん…むにゃ…」
夢の中で会っているのだろう、慈郎はの名前を呼んだ。
それだけのことなのにドキドキと高鳴る鼓動を感じる。
眠たい頭を振って頑張って家まで来た慈郎。
一緒にいるだけでドキドキしてうまく話せなくなってきて「部活だから」と走り去った慈郎。
そんな慈郎の努力をは知る由もない。
ただ
予鈴が鳴るまでの短い時間、はいつものニヤケ顔ではなく
無意識に微笑んでいた。
「ジロさん、好きだわ…。」
まだ続かせるつもりみたいです。何故かシリアスになりそうなならなそうな。
☆早くどっかに戻り隊☆
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