「らっしゃいませー」


店の入り口が開き、微妙に半泣き気味の店員がそちらを見ることもなくお決まりの挨拶をする。

パフェの食べ過ぎでいい加減舌がマヒして味もわからなくなってきた俺は、

少しでも気を紛らわそうとそちらを見た。

「……」

そこには、変な威厳を醸し出しているあきらかにおかしい集団がいる。

「だぁから今日の目的はパフェなんだって言ってんだろぃ!」

「しかしここはラーメン屋ではないか」

「真田くん。最近のラーメン屋は甘味も取り扱うところが増えているんですよ」

「フン。自分の土俵だけで勝負できんとはたるんどる」

「まぁ、そう言うな。どこにだって事情はあるものだ。最近の統計的にも…」

「そんなことはどうでもいいからさっさと座りんしゃい」

「少しは気使えよお前らυ」

立海の男テニレギュラー陣だ。

相変わらずだと思いながら、出来るだけ関わらないように顔を背けた。

すると。

「…?何縮こまってるんだ?」

「へぁ!?うふふん★何の話だかわからぬで候。

とりあえずどうでもいいから喋りかけんな」

中々自分勝手な言い分だ。

しかし、どうやらも立海と関わりたくないらしい。

「よし、じゃ知らないフリの方向で…」

二人で頷きかけた時、こういう空気を読むのが得意な筈の千石が席を立ち上がり

余計なことに集団に向かって手を降る。

「やっほー★立海の諸君。君らもコレ、食べに来たのかい?」

うわあぁぁぁぁ!!余計なことを!

千石はちらっとこちらをみてにっと笑った。

…わかって呼んだのか。

がっくりとうなだれる俺と顔を引きつらせる

「ん?山吹の千石と地味なやつらと…」

!!」

店内に、真田の怒号が響きわたった。

「やっ…やぁやぁ諸君。元気でおじゃりますかの?

朕はちょっともうそろそろ帰ろっかなーなんてそんな勢いなんですよねーウフフ。

…じゃ、そういうわけで」

ほとんど一息で早口にまくしたて、すちゃっと手を挙げ逃げ去ろうとする。

「そうは問屋がおろしませんよ」

「あ、あらエセ紳士。女性の進路を妨害するとベル○イユまで行くはめになりましてよ?」

意味が分からない。

「今日という今日は逃がさんけんのう」

にっこりと、それこそ詐欺師のような笑みを浮かべる仁王に腕を掴まれると、

は首をぶんぶん振りながら謎の言語を発しだした。

…こいつのこんな動揺した姿は初めて見る。

立海にはどんな秘密が隠されているのだろう?

多少悪趣味とは思いながらも、助け船を出すこともなくそのまま観察してみた。

気がつけばは地面に正座させられている。

!貴様はウチの「わー!」でありながらまたサボ「きゃー!」しかも、今日は青学
との「ぎょぇー!」の日というのに

時間になってもあらわれんとはたるんどる!

毎度毎度そんなことでは、幸村や俺の「うっひょほー!!」が問われるではないか!

聞いているのか貴様は!!」

真田の説教は、所々にの奇声が入って、よく聞こえなかった。

彼女の正体に関しての、かなり重要なキーワードが入っていたはずなのに。

「まぁまぁ、真田君もそんなに怒っちゃいけないよ。女の子には優しくしなきゃ」

うんうん頷きながらパフェを頬張る千石。

まだいくのか。

「こいつを女性という型に入れられるわけがなかろう!」

うわっ。真田、言い切ったか。

めちゃくちゃ顔を顰める

顰め過ぎで原形を留めていない。

「それ以前にこいつはうちの「あひゃごげひゃー!」だ。

「もげひー!」な「げひゃー!!」が「おひょへへへへへ〜★」だろう。

そ「うひゃぁぁぁー!」な。」

さっぱりわからない。

それどころかさっきよりも酷いことになってる。

真田が真面目に話しているだけにえらいマヌケに感じる。

…ちぃっと黙っときんしゃい」

呆れながら仁王がぺしっと頭をメニュー表で叩く。

「おひょひょひょひょー!誰が黙りますかい!

そしておっちゃん!例のパフェオレンジジャージ全員分追加ね!」









本当に「やも」で終わりました。
転んでもただでは起きない主人公…
とりあえず立海が出てきたので急展開希望。








●戻り隊●

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